GⅠサラブレッドクラブ2023年度募集注目馬

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レディシャツィ22

父ニューイヤーズデイは3戦2勝でBCジュヴェナイルを制した馬。翌年の3歳クラシックでも期待された馬だったが、2歳12月に左後肢種子骨骨折のため種牡馬入り。産駒にはフロリダダービーなどGⅠ4勝馬でサウジカップでの勝利やケンタッキーダービー1位入線後に禁止薬物の疑いで降着となったMaximum Security、米GⅠクレメントLハーシュS勝ち馬Fighting Madがいる。

母レディシャツィは2009年ペルー年度代表馬でGⅠ3勝。本馬の兄弟馬は6頭中2頭が勝ち上がっているが、レディシャツィの血統構成がダート馬そのものであることからディープインパクトの産駒が走らないのも致し方ない部分と言えるかと思います。

配合面はMaximum Securityの例に沿って検討すると、Maximum Securityの母父Anasheedの母Flagbirdは5代母がStriking(War Admiral×La Troienne)だが、本馬の母父Privately Heldの4代母Stolen Hourの父Mr. BusherはStrikingと全兄弟の間柄。さらにMaximum Securityの母父AnasheedはLa Troienneのクロスを内包するが、本馬の母父Privately HeldもまたLa Troienneのクロスを内包している。さらに奥深くみればPhalaris、Teddy、Black Toneyといった血脈を多く内包する母系やEight Thirty(本馬の場合は≒Speed Boot)などMaximum Securityと共通するポイントが非常に多い。

上記で述べた血統面や馬体からも中距離路線のダート馬といった印象が強く、美浦加藤征弘厩舎はノンコノユメなど多くのダート巧者を輩出している厩舎であることも良いですね。

血統構成は狙っていると言わざるを得ない配合かと思います。

 

 

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サイマー22

母サイマーは仏GⅢプシュケ賞勝ち馬で、半兄Contributerは豪GⅠランヴェットS(T2000m)、豪GⅠチッピングノートンS(T1600m)の勝ち馬。ランヴェットSでは日本でも活躍しオーストラリアで種牡馬として活躍しているトーセンスターダムに競り勝ってのGⅠ制覇となっている。本馬の半兄グランシエロはアイビーSで日本ダービー馬ドウデュースの2着。

サトノダイヤモンド産駒は現役時の走りやデビュー前の評価から芝一択の馬だったかと思うが、走ってみたところ案外ダート馬を輩出していることは成績が示している通り。母系は硬め以外のNijinskyを内包している母系が良い印象は強く、機動力を増幅させるCaelreonを内包するシンリョクカ、Green Dancer内包のダイヤモンドハンズ、マルゼンスキー内包のタツダイヤモンド、Nijinsky3×3のHoly Moonを2代母に持つサトノグランツなど傾向は明確。母サイマーはIle de BourbonGreen Dancer、Royal Academyを内包するからNijinsky6・6×5の多重クロスを内包。Halo≒Red Godの機動力をも多重に内包しており、サトノダイヤモンドが持つ雄大な馬体を動かしやすい血統構成となっている。この手の配合であれば馬体は大きすぎないほうが良く、牝馬由来の柔軟性に長けた筋肉は馬齢を重ねても硬い方向にシフトすることは無い可能性が非常に高い。この手のサトノダイヤモンド産駒は走るはずです。